米国株は4日続落

市況と雑感
本日の米雇用統計を前に、利上げ局面が長期化し、深刻なリセッションが起こり得るとの懸念が拡大したことが要因で米金利が続伸し、米国株は4日続落。
米10年債利回りはさらに上昇し、4.15%でクローズ。2年債と10年債の逆イールドも一段と拡大。呼応してドルは続伸し、148円台前半でクローズ。
ユーロドルはパリティを大きく下まわり、0.9750と再び0.9500割れを目指す展開。
一方、BOEは政策金利の0.75ポイント引き上げを発表。
利上げ幅は過去33年で最大。
ただ、将来も大幅利上げが続くとの市場の予想は強く打ち消し、市場の予想通り金利が上昇すれば2年にわたるリセッションにつながると警告しています。
インフレ圧力が根強く続けば、「強力」な追加利上げすらも必要になり得るが、ピーク金利は「金融市場が織り込んでいるよりも低くなる」との見通しを示しており、ポンドドルは反落。
米2年債利回りが前回の高値を超えて急伸(=4.7431%)しているにも関わらず、ドル円の反発は148円台どまり。前回のドル円の高値である151.95円どころか、150円台も回復できない状態。
これはドル円が多くのマーケット参加者のターゲットである150円にすでに到達してしまったというのが原因だと考えています。
ドル円の最安値は2011年10月31日の75.35円。このレートの2倍が150.70円。
そして今年のドル円の高値が先月到達した151.95円であり、今年のドル急騰により、米ドルは日本円に対して過去最安値から約2倍に急伸!
視点を変えれば、日本円は米ドルに対してその価値をすでに半分に劣化させたということになります。これが、今回米2年債の急騰を受けてもドル円の上昇が限定的になっている要因だと考えています。
去年から、ドル円に対しては徹底的に強気であった自分の友人のヘッジファンドも150円レベルでは長期にもっていたドルロングを順次利益確定し始めています。
その理由は彼のドル円のターゲットも150.00円レベルであったため。
今回のFOMCでのパウエル議長のコメントがややタカ派であったため、ドル金利とドル円は反発していますが、パウエル議長自身が冒頭述べていたように、インフレ抑制を目指した積極的な利上げが最終段階に近づいていることもあり、早晩米金利がそのステージに入れば、米ドルも反落します。
米の利上げが最終段階に近づいている事、加えて、円はその価値をすでに半分にまで劣化させていることからドル高局面であっても、ドル円はすでに積極的に買い進めづらい通貨ペアになっていると想定しています。
では、米金利が再び反発するのであれば、どの通貨ペアでドルを買っていけばいいのかと考えるとそれは欧州通貨ではないかと想定。
先月の米金利の反落は、主要通貨に対し米ドルの価値を下げましたが、その下げが極めて限定的だったのがユーロドル。
ユーロドルはパリティをブレイクし一時1.0094まで高騰するも、その後あっさりパリティを割り込んで上値の重さを確認した形。
第4四半期の欧州経済も、エネルギー不足、そしてロシアとウクライナの紛争が新たな局面を迎えるリスク、さらにはイタリアの債務破綻の可能性など、より深い問題が脅威として潜んでいます。
中央銀行であるECBにはこれらの脅威に対処する手段がほとんどなく、多くのエコノミストはユーロドルが再び0.9500ブレイクを試すだろうという見方が目立ちます。
結果、ユーロ円を再びショートエントリーしています。
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